先月より、日本料理の授業で「鯵の三枚卸し」が始まっています。
ほとんどの生徒が初めて行う作業のため、難しさを痛感している事でしょう。
教科書と照らし合わせて授業も行っていますが、頭で理解していても、いざ実践となるとやはり難しい…
たくさん練習しなければいけません。
今日は、もう少し深く「鯵の三枚卸し」を考えます。
魚を卸す前に、必ず行うのが「水洗い」です。実はこの水洗いも肝心なのです。
水洗いとは、内臓・うろこ・エラを取る作業で、卸す前の段階までの事を言います。
鯵の場合、教科書にはこう書いてあります。
赤枠1ですが、まずぜいごを取ってから残りのウロコを取るとあります。
※ぜいごとは、鯵特有の固いウロコです。
青枠2は、頭を落としてその後内臓を取るというもの。
鯵は、ウロコとぜいごと頭を取り 腹に包丁を入れ、内臓を取るのが、教科書通りの順番です。しかし、これが正解という訳ではありません。これも一つのやり方ですが、その後の用途によって、工程も変わるのです。
そもそも「ぜいご」ですが、取る時と取らない時があります。
皮つきのまま食べる物は、当然取りますが、刺身や開きの干物を作る場合は取らない方が良いでしょう。(空気に触れた所から変色し、傷んでいく為)
頭を落とし、内臓を取るとありますが、姿卸しで刺身に調理する場合もあるので、頭は切り離さずに内臓とえらを取り除く場合もあるのです。
どの魚の水洗いも、基本の正解はコレです。
例えば、お店で先輩から「その鯵、水洗いしておいて」と言われ、勝手にぜいごや頭を落とすと、「違う」と怒られる事もあるでしょう。よく確認するのが大事ですが、思いこみは禁物です。
鯵に限らず、すべての事に言えますが、やり方は一つではないのです。お店によって違いもあり、それに合わせる事が必要です。
三枚卸しに関しては、綺麗に卸す事が出来るまで何度も練習するしかありません。
今はまだ初めたばかりで、まだ上手くありませんが何度もやれば必ず上達します。
早くここまでできるようになりましょう!
まとめ
調理師学校で学ぶ事は色々ありますが、最も大事な事は「基本」を学ぶ事です。
やみくもに沢山のレシピを作るより、基本の技術を積み上げる事の方が大切で、「できる」事をいかに増やせるかが鍵なのです。
「やった事がある」だけでは、「できない」のと一緒。
調理技術は「できる」か「できない」の二分法でしかないのです。